マンガでわかる・1万円起業がマンガでわからない

倉庫を掃除していたら「マンガでわかる・1万円起業」という本を見つけた。2~3年前に買った記憶が蘇った。
元となった本は Chris Guillebeau 著 The $100 Startup

この本のおもしろいところはタイトルが1万円起業と書いてあるが紹介されてる事例のほとんどが1万円起業していない点。約9人の事例のうち、2人はそもそも起業すらしていなく、さらに2人は1万円以上あきらかに費用がかかっている。そして起業した人のうちほとんどの人がプロとして通用する専門的知識がある。この本のタイトルを見ると、スキルもねえ、金もねえ、ひぃひぃ言いながらギリギリの生活を維持している人でも1万円で気軽に起業できるんだよという迷える子羊を救うメシアのような本なのではと思うが、違うのだ。紹介される事例の多くがただ自分の専門スキルを使いニッチな需要を狙って独立したら成功したっていうだけだ。中には強力なコネがあったからこそできた逸話すらある。この本を読み終わった時には、専門的なスキルもない、金もない、コネもない人間はどうしようもねえんだなという感想を持つしかないと思う。

しかしその感想は間違ってると私は思う。これはビジネス書ではなくギャグ漫画なのだ。まず情報量が糞少ない、できの悪い少女漫画のような下手くそな絵。そしてタイトルが1万円起業なのにあきらかに数十万はかかってる起業を前半でアピール、さらに後半は起業では無くそれただのマーケティングがうまくいっただけじゃねえかよ!!といった事例を挙げる。あきらかにツッコミを待っている。いやwwwwまず1万円ですらねえしwwwっていうかせめて起業はしろよwwwwwwwwwwwと読者は頭の中でツッコまなくてはいけなかったのである。しかしマンガ家の力量が大幅に足りていなくて、ブラックジョークを言ったはいいけど冗談で言ったのかガチな発言なのか周りの友人たちが判断しかねて微妙な沈黙流れてるみたいな状態になってしまっているのである。ビジネス本のところに置いてあったのも盛大なギャグだったのだ。本来は「銀魂」と「漫画でわかる心療内科」の間に挟まれているべき本なのだ。
そこんとこしっかり理解した上で改めて読んでみるとつまらないのでおすすめです。 

本の帯に
「貯金なし・スキルなし」で身軽にスタート!
と書いてあるのもギャグ線高いです。

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